2013-02-20

【#wbc2013】World Baseball Classic は「世界最大のエキシビジョンマッチ」という捉え方

2013年の World Baseball Classic (WBC) 日本代表のロースター28人が決定となった.
これを機に,今回の WBC に対する僕のスタンスを述べておきたい.

マー君ら侍28人決定/WBCメンバー (日刊スポーツ)

それは,「WBC は世界最大のエキシビジョンマッチである」ということだ.

World Baseball Classic の 「Classic」という言葉について,米球界に疎い人ならピンと来ないだろうが,Major League Baseball において,夏のオールスターゲームは「Mid-Summer Classic」という.つまり,「World Baseball Classic」は,「世界で一番強いチームを選び出す」ことが目的なのではなく,世界の一流が「集うこと」に意味がある.世界一を決めるのが WBC の目的なら, WBC は 「World Baseball Series」となっただろう. (もちろん,「World Series」を開催する MLB がそんなことをするのはありえない.)

そもそも WBC を MLB が開催するのは,これまでになかった地域での野球熱の開拓や,世界各地に散らばるメジャーリーガー予備軍に,メジャーリーグへのあこがれを強めさせるという役割を この大会に期待しているからだ.
現に,第3回となる今回の WBC は参加国がこれまでの16カ国から28カ国へと飛躍的に増加した.しかも,選手の所属国に関する規定もオリンピックやサッカーの FIFA World Cup と比べるとおどろくほど緩く,「両親のどちらかの出身国であること」でその国の代表に選ばれることもある.
現に,中日ドラゴンズの二軍投手である小川龍也投手は,この規定のためにフィリピン代表として WBC 予選で登板している.
中日小川にWBCフィリピン代表オファー (日刊スポーツ)
名の売れたメジャーリーガーを野球途上国の代表にすることで,その国の野球レベルを上げること,野球への注目をあつめることができるのだ.
そして,メジャーリーガー予備軍のメジャーへのあこがれを喚起するという WBC の役割と機能は,日本人なら誰にでもピンとくるだろう.
第1回の WBC では西武ライオンズの松坂大輔が好投し,自身の市場価値を一気に上げて,同年オフに合計1億ドルの大型契約をボストン・レッドソックスと結んだ.
第2回の WBC では,ダルビッシュ有にメジャーのスカウトが群がった.それまで「自分はメジャーに行くなら野球を辞める」とまで語った男がその意志を裏返すこととなったきっかけのひとつに WBC があることは,本人が何と言おうと否定にはならなさそうだ.

今回の WBC に際して,多くの日本人メジャーリーガーが 日本代表選出を辞退した.しかしそれは「すべてのメジャーリーガー」ではない.実際に上原浩治は「選ばれれば参加する」意思があることを,オフに出演した生放送のテレビ番組で語っていた.

つまり,WBC は「野球世界一を決める大会」ではないのである.
これが,私が 「WBC はエキシビジョンマッチ」と思う第一の理由である.

長くなったので,稿を改める.