2012-12-11

【#就活】「やりたいことがある」なんてウソを言うのはヤメにしよう…『Think! No.43』を読んで社会人1年目が思うこと #shukatsu

このブログ初の書評は…


上司に「読め」と言われて読んだが,めちゃめちゃいい特集だった.


『Think』は,その「実践的ビジネストレーニング誌」という能書きからもわかるように,主としてスキルアップを目指すビジネスパーソン向けの雑誌なのだが,今回の特集は,これから2014年新卒の就職活動を迎える大学生が読むべきだと感じた.

テーマは「新しいキャリアの教科書」.ひとつの会社に就職し,40年間をそこで過ごす時代が終わっただけでなく,場合によっては「企業」というものに属さなくても生きてゆくことができる時代 - 場合によっては,そうせざるを得ない時代 - にどう生きるかのヒントが,この特集には詰まっている.

就職活動の2本柱


私も2年前に経験したが,大学新卒の就職活動で問われるのは,「これまでの生きっぷり」と「希望に目を輝かせる姿」である.
前者である「これまでの生きっぷり」とは,常見陽平が言うところの「ガクチカ」すなわち「学生時代に力を入れたこと」であり,更に広く言えば,物心がついてから今日に至るまでの自分の人生の軌跡」である.窮地に陥った時,目の前の学生はどのような行動を取るのか,それを採用する側は問う.
後者の「希望に目を輝かせるか」とは,採用面接官から見て「この学生は就職したあと,この会社に愛着を持ってくれるか」の指標となる.いわゆる「志望動機」というのも,この部類に入るだろう.この「愛着」という視点は,ホッピーの実例もあるように,うまく作用すると絶大な効果をもたらすこともあるらしい.
もちろん,これらを相手に伝えるに十分なコミュニケーション能力とやらなども求められるのだが,軸になるのはこの2つだった,と私は思っている.

『ウソ』を言わなきゃいけない就活生


したがって,就活生は「これまでの生きっぷり」と「希望に目を輝かせる姿」という2つについての話題を用意することになる.学生は,後者である「希望に目を輝かせる姿」に,大きなウソをつきがちな傾向にあるような気がする.就活生は,自分のこれまでの生きがいは,正直に赤裸々に語ることができるだろう.しかし,自分の見たことのない未来をじっくりと見据えて,冷静に語ることができる就活生は限られる.就活生は「自分は未来の自分に希望を持っている」とか,「自分は未来の職場に希望を抱いている」と見せようと躍起になる.

個人的に,就活で一番虚しいのは,思ってもいない「希望」を面接官の前でいかに語るかを考えることだと思う.受ける企業に応じて,その企業のプッシュする特長を志望動機の言葉の中に散りばめ,いかにもその企業が自分にとっての運命の恋人であるように見せかけようとする,あの瞬間.

本当に「運命の恋人」だと思った瞬間には自分の思うように言葉が出てくるし,その言葉の主語はおのずと「私は〜」となる.でも,無理に相手を好きだと示そうとするとき,その言葉の節々には「御社は」「貴社は」という主語が聞こえるようになる.
自分の話をするが,「よく書けた」と思える会社の志望動機ほど,「御社」という言葉は出なかったような気がする.
でも,世のカネの流れ方も知らない学生の「私はこの仕事で一流のビジネスパーソンになりたい」という言葉も,学生たちが「社会人」と呼ぶサラリーマンたちがいかに「ビジネス」をしているかを知らない就活生の「僕はこの仕事で社会貢献をしたい」なんて言葉も,まったくもって面接官には届かない.そんな届かないメッセージを練っていた瞬間が,自分の就活でも,他人の就活でも,振り返って,傍から見て,虚しいと感じる瞬間だった.

開き直ってもいいんじゃないか


就活生は,開き直って良いと思う.「僕に,やりたい仕事なんてない」と.知っている世界の狭い学生にとって,「この職業に全てをかけたい!」なんて仕事が見いだせるはずがない.それを,就活生は受け入れるべきなんじゃないかと思う.

実際に自分がそうだった.大手都市銀行の面接で,私は「ホールセール営業をしたい」ってプッシュしていた.でも,その背景にあった理由は「この仕事なら,いろんな業界の人に接することができそうだから」というものでしかなかった.今思えば,それだけの理由なら,他の仕事でもできることがある.

今の仕事にありつけた理由を思い返してみる.この会社だけが,「僕はこの職場だったらこうやって成長できるはずだ」と語れたことが,一番の勝因だったのだと思う.

そんな自分の肩の荷を更に軽くしてくれる「新しいキャリアの教科書」


話は変わるが,先日,僕の上司が「読め」と黙って渡したのが,この『Think! No.43』だった.
僕がこの特集の中で一番心に残っているのは,
これからはキャリアを『積み重ねる』のではなく,『つなぐ』時代.だからこそ,『どこでも使える普遍的な力』を身に付けるべき
という場所だった.
就活を終えて仕事を始めると,あたかも「すべての社会人は,自分のやりたいことがある」と錯覚してしまうのだが,じつはそうではない.でも,自分のやりたいことがなくても,実は力強く成長することができる ― そんなヒントが,この特集には書いてある.

最後に,僕がこの特集を読んだあとに,上司が僕に言った言葉を紹介して,この記事を締めたい.
この記事に登場する人たちって,実は誰一人として自分の望んだ環境に置かれたわけじゃないんだよね.でも,みんな一流に成長している.本当に成長できる人は,環境に依存せずに,自分で成長する術を身につけてるんだよな.
自分がどう成長するべきか見えない人へ…ぜひ.

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